2009年8月21日金曜日

第11回 別子銅山記念館

Besshi Copper Mine Memorial Museum
[image: "Besshi Copper Mine Memorial Museum" on flickr, by ida-10]



Besshi Copper Mine Memorial Museum
[image: "Besshi Copper Mine Memorial Museum" on flickr, by ida-10]



Besshi Copper Mine Memorial Museum
[image: "Besshi Copper Mine Memorial Museum" on flickr, by ida-10]



別子銅山は新居浜市(旧・別子山村)の山ろくにあった銅山で、江戸時代(1690年)から1973年までの約280年間にわたり銅が産出されました。開山以来、一貫して経営したのが住友家で、これが現在の住友グループの礎(いしずえ)となり、新居浜市の発展のみならず、日本の近代化に寄与しました。

かつて別子銅山のあった山ろく部への入り口にあるのが大山積神社で、これは銅山の開山に伴い、大三島(今治市)より分霊され建立されたものです。「別子銅山記念館」は、別子銅山の閉山後、この大山積神社の境内に建てられました。

この建築の屋根には一面にサツキが植えられ、5月には満開の花を咲かせます。一見すると「巨大な花壇」のようですが、この下は半地下の構造になっており、別子銅山の歴史や技術を後世に伝えるための様々な展示がなされています。このようなデザインを用いたのは、神社との調和に配慮したからでしょう。現在の屋上緑化を先取りした建築であり、また今治の「亀老山展望台」で建築家・隈研吾がみせたような「建築を隠す」手法を先取りしたものともいえるのではないでしょうか。

記念館の内部は(展示物のためでもありますが)照明が落とされ、薄暗い照明計画がなされています。銅山の内部を思わせるような空間が意図されたのでしょう。天井には一か所だけ天窓が設けられ、銅山の稼動許可日の5月9日の正午にのみ、ここから太陽の光が差し込むそうです。


設計:日建設計
所在地:新居浜市角野新田町3−13(地図
主要用途:記念館
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上2階
竣工:1975年
建築面積:946m2
延床面積:1054m2

利用案内:
営業時間 9:00-16:00
休業日 月曜日・祝日・年末年始

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