2009年8月15日土曜日

[interview vol.01] 竹内陽介(ラ・ミールカンパニー)

[interview vol.01]
竹内陽介
ラ・ミールカンパニー代表取締役


新居浜市の「カフェ・ラ・ミール」は三角形の外観が特徴的なカフェで、2006年末のオープン以来、地元の人々をはじめ多くの人々に親しまれています。今回のインタビューは建築の「発注者(オーナー)」に注目し、カフェ・ラ・ミールを運営する竹内さんに、この建築ができるまでと、これからの話について伺いました。

Cafe La Miell
[image: "Cafe La Miell" on flickr, by ida-10]



「愛媛に無いもの」を求めて



――このカフェができるまでの経緯を教えてください。

竹内:以前、新居浜大丸の中でカフェをやってたんですよ。大丸が閉店したのが8年くらい前ですが、それと同時にカフェも無くなってしまったので、そのときに独立してこちらに移ってきました。この建物の向かい側にも店舗がありますが、そこでカフェをやっていました。

――向かい側のカフェが人気が出て、こちらに広げることになったということですか。

竹内:そうですね。いくつかのカフェや雑誌を見たりしましたが、そこで谷尻さんの建築が載っていたのをみつけました。あ、これいいな、って。店舗も住宅も見ましたね。

――どのような依頼をされたんですか。

竹内:「愛媛に無いもの」を求めて考えてもらいました。自分は建築が専門じゃないから、想像力も知れているじゃないですか。私たちが考えても普通の建築しか浮かんでこない。自分の想像を上回るものを考えてもらおうと、谷尻さんに案を出してもらいました。そうじゃなかったら建築家に頼みません。


Cafe La Miell
[image: "Cafe La Miell" on flickr, by ida-10]




建築家のアイデア、オーナーのこだわり


――特徴的な外観ですが、この三角形の案は初めから出ていたんですか。アイデアはどのように形になったんですか。

竹内:三角形の案は最初から出てきましたね。外装についてはエコっぽく…屋上緑化のようなものをお願いしましたが、管理上難しいということで、石になったんです。県からも、石がずれないように、と…。

――石もちゃんと固めて、落ちないようになっていますよね。

竹内:庭師さんがいましたし、そこはきちんとやってくれました。施工はジョー・コーポレーションさんにお願いしたんですけど、あのような大きい会社じゃないと難しいようですね。

――緑もいっぱい植えられていますよね。建物に隙間を設けて植えているので、内側からは中庭みたいな感じで、お客さんの居場所がつくられてるように思います。

竹内:場所ごとに見えるシーンも違いますね。一部地下になってますけど、もともとここは田んぼで、1m50cmくらい下がってたんです。だから地下に駐車場をつくろうとか、いろんなことを話しましたね。でも、5年前に新居浜で水害があったんですよ。また起こったらいけないので、床を上げてくれという話をしました。谷尻さんとはそのような色々な話をしましたが、結果的に想像以上のものができたと思っています。10年経っても古くない建築だと思うんですよ。小学生くらいの子どもも、変わった建物があるといって喜んでますね。

――外にも「上らないでください」って書いてましたね。

竹内:上るんですよ(笑)。




今後の「ラ・ミール」の展開


竹内:ここもまたリニューアルをするつもりで、谷尻さんともそういう話をしているんですよ。この中にまた家を建てようとか…。

――建築の中に建築を建てるというと、入れ子のようなものですか。

竹内:そうそう。入れ子は難しいという話になりましたが…ここはカフェだけじゃなく、日曜限定でブライダルや2次会などのパーティで使っていただいてるんです。通常、結婚式ってカチッとしていますよね。まずこれがあって、次はこれがあって…みたいにやることが決まっている感じですが、ここでは自分たちのオリジナルのブライダルをやりたいというお客さんが多くいますから、そういうお客さんに対応できるようにしたいと思っています。谷尻さんとも打ち合わせをしていますが、今は不景気なんで、今やるべきかどうかを検討しているところです。

――以前カフェとして使っていた向かい側の建物も、谷尻さんにお願いしたんですよね。

竹内:向かい側の建築は、この建築ができた後に改装しました。インテリアがヨーロピアン調のレストランで、パーティなどに使っています。

――「ラ・ミール」はリーガロイヤルホテル新居浜にも出店されているようですし、どんどん広がっていますね。

竹内:カフェは常に新しくないとお客さんも飽きしまうんですよ。このような建物を建てたのは、手狭になったのもありますが、お客さんのことを考えたからでもあるんです。常に新しいものを求めないといけない。もちろん、おいしいものを出さないといけないし、こだわりはあります。デザートも一から作りますし、コーヒー豆もブラジルのものを指定して買ったりしていますしね。


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・関連情報:
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